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よくある恋愛モノ 〜見えない心〜
第4章 狂った歯車
無表情だった凪の顔から更に感情が消えたように見えた
「あ、嫌かな…さすがに……」
「いい。そこにしよう」
凪は素早く答える
その反応に悠がやっぱりやめようと口を開いた時、
ピリリリ
ピリリリリ
悠の携帯が着信を告げた
「あ、ちょっとごめん」
悠は立ち止まって携帯を取り出すと、表示された名前に少し眉をひそめてから電話に出る
「もしもし?」
『あ、ごめん。忙しかった?』
「っていうほどではないけど……どうしたの?」
『もしこの後時間あったらさ、会えないかな』
「この後!?」
悠はつい大きな声を上げてしまった
凪が少し驚いてこちらを見る
そして
「気にするな。行ってこい」
会話の内容を推測したのか、柔らかい声でそう言った
「あ、うん……もしもし? 大丈夫だよ」
『そっか。なんか無理言ってごめん』
それから時間と場所を決め、悠は電話を切って凪を見る
「ごめんね」
「別にいい」
凪はそのまま向きを変え悠と別れようとしてから、不意に振り向いた
「相手は男か?」
「えっ」
まさか気にしてくれるとは思わなかったので、申し訳なさと同時に喜びを感じてしまう
「う、うん……友達だけどね?」
「そうか。帰りは送ってもらえよ」