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よくある恋愛モノ 〜見えない心〜
第4章 狂った歯車
今度は心の中で自嘲気味に笑う
「で、思い出してないとすると何が問題なの?」
「だから! 忘れてるから怖いんだよ……」
「思い出すのが?」
龍青の心中が分からず悠は首を傾げた
問われた方は小さく頭を振って否定する
「いや、それもあるけど……こんな…和泉がいなくなって都合良く、みたいなさ……。
僕なんかが和泉の代わりになれると思う? 和泉の方が……」
「でも美和ちゃんは今龍青くんを必要としてるんだよ? 忘れてるとはいっても。
それをこっちの罪悪感で無理矢理思い出させようとする方がどうかと思うな」
「……」
納得出来ないという顔を向けられて悠はため息をついた
「分かってる。自分に都合の良いように解釈してるだけだって。
でももう戻れないからな〜」
後ろめたさでしんみりしてしまわないようテヘっと舌を出して見せる
「戻れないって?」
「あのね……私、凪くんと付き合ってるの」
「は!?」
予想通りの反応
彼がまた何か言い出す前に悠は急いで続けた
「大丈夫だよ! 私は美和ちゃんと同じように凪くんと向き合ってくつもりだし、凪くんもそれを認めてくれた」