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よくある恋愛モノ 〜見えない心〜
第7章 合わないカケラ
彼女の親が気を利かせて言わなかったのか
「……お前にはかんけーねーだろ」
兄の冷たい言葉に陽菜乃は顔を曇らせた
今までだって同じようなことは何度も言われてきた
美和と付き合い始めた後でも。
だが今日のその言葉は以前とは明らかに違う
本気で関わってほしくないと全身で訴えている
でも陽菜乃は知っていた
こういう時こそ、兄には誰かが必要なのだと。
ここで喝を入れなければ凪はどんどん深みにはまってゆく
自分を責め、過去ばかりを振り返る
何が悪かったのか、あの時こうしていればと。
「ふん、意気地なし」
「なっ……」
突然の嘲笑に凪の頭に血が上る
「何があったか知らないけど、どうせそうやって解決策放棄してきたんでしょ。過去と向き合ってる方が今と向き合うよりずっと楽だもんね!」
「てめ何言って……」
「ホントに好きならなんでぶつかんないの! 上手くいかないかどうかも分かんないのに!」
陽菜乃は最後にわざと挑発するように笑った
「怖いんだ」