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よくある恋愛モノ 〜見えない心〜
第7章 合わないカケラ
バシッ
陽菜乃の体が床に投げ出される
「……!」
まさか殴られるとまでは思っていなかった陽菜乃は驚きの表情を浮かべ、凪も思わず出てしまった自分の手を衝撃を受けた顔で見つめる
今までどんなに気が立っていても、家族に手を出すことだけはなかったのに。
平手だったのが不幸中の幸いか
だがほとんど本気の攻撃を受けて陽菜乃の頬は赤く腫れ始めていた
陽菜乃はそれを確認するようにそっと自分の頬に触れる
「……っ」
その姿から目を逸らし、やってしまった後悔に凪は固く拳を握り締めた
だが素直に謝れるような心理状態ではないし、もとからそんなに素直でもない
「何も知らねーくせに偉そうな口聞いてんじゃねーよ……っ」
帰れと続けようとした時、偶然にも再び凪の部屋のインターホンが鳴らされた
今度は誰だと凪は足音荒く玄関へ向かう
ドアを開け、目の前に立つ人物にため息をついた
「……お前もか」
「も、ってことは陽菜乃はやっぱりここにいるんだね」
陸がそう言った時、中から陽菜乃が駆け出して来た
「陽菜乃! 家に帰ってないっていうから心配したよ。携帯もつながらないし、何もこんな時間にこなくたって……?」