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よくある恋愛モノ 〜見えない心〜
第7章 合わないカケラ



凪にしても龍青にしても、美和の中に確かな自分がいないことに不安ともどかしさを感じていた





「でも今度は遅れて来ないでね」

「え?」

「あっ、龍青なら大丈夫か。前に凪と行った時なんて一時間以上待たされて……」



美和の口から出た名前に彼らは大きく息を呑む





凪ーーーそう言った



それに自分でも気付いてはっとしたらしい

美和は口を抑え目を泳がせた



「ナギサ……? ナギサって、誰……」



凪は一旦目を閉じ、深呼吸を繰り返す



もう耐えられない−−−







「おい」





突然目の前に現れた見知らぬ男に美和の全ての動きが固まった



見知らぬ?

いや、違う−−−



「美和……」



自分の名を呼ぶこの男



「和泉……!」



龍青が美和を庇うように立ち上がる

たが凪は龍青のことなど目に入らないかのようにただじっと美和を見据えていた



「マジで覚えてねーのかよ」



凪の声に、瞳に、心の奥が騒つく



“知ってる……私この人のこと……”



「ナ…ギ……」



美和がゆっくりと口を動かした時、それよりも先に龍青が割って入った


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