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桜の季節が巡っても~追憶~
第52章 誕生日の贈り物1(再編済)
「…どうせ色気よりも食い気です」
-まだ子供だし。
そこまでの事を彼は思ってない-分かってる。
でも恥ずかしくって可愛いげのない事をつい、口走ってしまう。
面白くなさそうな泉夏のそれに、秀王は苦笑した。
「思ってない、そんな事。いつも食が細くて、むしろちょっと心配してるくらいだ。だからデザートだろうと、沢山食べてくれれば嬉しい。幸せな泉夏を見てれば、俺も幸せな気持ちになる」
ここですぐに機嫌を直せば『可愛い』って、また思ってくれるのも知ってる。
でもなかなか素直になれない。
十歳の年の差は、どうしたって埋めようがない。
でも努力して、僅かであっても大人に近付く事は可能だと思うのに。
なのに泣いたり、不機嫌になったり-いかにも『子供』がやりそうな事ばかりして。
こういう態度が、より子供である事を強調してしまってる。
背伸びしてでもいいから、彼に釣り合う『大人』になりたいと思っているのに。
これではまるきり、真逆の行動だった。
自分自身に嫌気がさしている泉夏を見、何かを考えているようだった秀王が突如、呟いた。
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