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桜の季節が巡っても~追憶~
第52章 誕生日の贈り物1(再編済)
「…もらった」
「え?」
「プレゼントは、もう先生からもらった」
不審そうな目をする彼に、泉夏は破顔した。
「私の所に帰って来てくれた。私が一番欲しかったのは、先生。今こうして隣りにいてくれるのが、私にとっての一番のプレゼントだよ。先生よりも嬉しいものなんて。先生よりも欲しいものだなんて」
-私にはない。
彼女の最後のひとことに、魂が揺さぶられる。
彼女と出逢ってからもう何度、こういう気持ちにさせられた事だろう。
「私が一番欲しいものは、どのお店にも売っていない。どんなにお金を出そうが、絶対に買えない-」
深呼吸を一回。
泉夏は秀王を見据えた。
「私は先生が…先生の心が欲しい。欲しかった。非売品だから手に入れるのが…凄く、大変だった」
言った側から激しい羞恥の波が襲う。
泉夏はみるみる赤くなる顔を隠すかのように、彼がいる方向とは真逆に逸らす。
繋がれていない左手で、熱くなった頬を冷ますように仰ぐ。
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