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桜の季節が巡っても~追憶~
第52章 誕生日の贈り物1(再編済)
互いに無言を貫き、どれくらい経ったか-暫く待ってみても、彼からの反応はない。
自分の言った事に、よほど引いてしまったのだろうか-泉夏は次第に心配になる。
勇気を出してそっと右側を見れば、こちらを静かに見詰めていた秀王と視線が合った。
ずっと見られてたのだろうか-驚きに心臓が飛び出しそうになる。
「…先生?」
恐々尋ねれば、彼は数度瞬《しばた》いた。
「…ものでどうこうしようとは、本当に思っていなかったけれど。泉夏が一番欲しいものが…その、まさか自分だって言われるとは思ってもみなくて。お金で買える何かがそのひとの最も欲しいものとは限らないって、改めて気付かされたって言うか。…やっぱり泉夏は、俺の先生だ」
微笑まれ。
泉夏は泣きそうになり、慌てて大きく頭《かぶり》を振る。
「そんな事。私が先生だなんておこがましい。ずっと前から気にしてくれていたのに。先生は純粋な好意から、私に何かをあげたいと思ってくれてるなのに。…こんな時ぐらい『これがいい』って、可愛くねだれる女じゃなくってごめんなさい」
謝罪する泉夏に、秀王もまた首を振って応えた。
自分の言った事に、よほど引いてしまったのだろうか-泉夏は次第に心配になる。
勇気を出してそっと右側を見れば、こちらを静かに見詰めていた秀王と視線が合った。
ずっと見られてたのだろうか-驚きに心臓が飛び出しそうになる。
「…先生?」
恐々尋ねれば、彼は数度瞬《しばた》いた。
「…ものでどうこうしようとは、本当に思っていなかったけれど。泉夏が一番欲しいものが…その、まさか自分だって言われるとは思ってもみなくて。お金で買える何かがそのひとの最も欲しいものとは限らないって、改めて気付かされたって言うか。…やっぱり泉夏は、俺の先生だ」
微笑まれ。
泉夏は泣きそうになり、慌てて大きく頭《かぶり》を振る。
「そんな事。私が先生だなんておこがましい。ずっと前から気にしてくれていたのに。先生は純粋な好意から、私に何かをあげたいと思ってくれてるなのに。…こんな時ぐらい『これがいい』って、可愛くねだれる女じゃなくってごめんなさい」
謝罪する泉夏に、秀王もまた首を振って応えた。

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