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桜の季節が巡っても~追憶~
第54章 出発前の甘い夜1(再編済)
「さっきの…って」
泉夏が首を傾げれば、苦笑いされる。
「ちょっと…その、なんて言うか」
-かなり、いやらしかった。
言い淀みながらの衝撃の彼のひとことに、泉夏は顔から火を吹く。
「い、いやらしいって!」
どこをどうしたら、そうなるのだろう。
そんな事、断じてないはずだ。
いや、絶対ない。
抱いてもらっている最中はそれは幸せなひとときで、いつも彼に全てを委ねてる。
身も心も満たされた瞬間の記憶は-正直少し、不確かな時もあるのだけど。
『さっき』が実はその時で、覚えてないのだろうか。
無意識のうちに、何か大変な事をしてしまった?
でも百歩譲ってどんなに乱れてしまってたとしても、そんな事有り得るのだろうか。
誘うくらいの色気を醸し出してる自信-全然ない。
「い、いやらしいとか…大袈裟っ。私、そんな事」
-何もしてない。
真っ赤になりながら抗議した口は、乱暴に塞がれた。
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