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桜の季節が巡っても~追憶~
第55章 出発前の甘い夜2(再編中)
「どんなに遠くに離れていても、泉夏はいつだって一番俺の側にいる。誰よりも可愛いって想うひとがいつも近くにいるんだから、他の誰にも心動かされない。心奪われたりなんかしない」
きっぱりと告げられて。
気恥ずかしくて。
嬉しくて-仕方がなかった。
真っ赤な顔を知られたくなくて、ただ彼の首筋に腕を回しているしかない。
自分を抱き締め、優しく背を撫でてくれる、手。
うっとりと身を任せていれば、呟きが聞こえた。
「そんな事を言うのなら、俺の方がよほど心配してる」
「なにを…?」
「俺も泉夏の事は信じているけど。…でも、ほんの一瞬でも、泉夏の心の中に誰かが入り込んでしまわないだろうかって。もしもそんな事があったら-」
-嫌だなって。
ついさっきの自分と同じ事を言う彼を、泉夏は急いで見た。
「絶対ないよ、そんなの」
「うん。分かってるのに、考えてしまうんだ」
秀王の双眸が、細められた。
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