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桜の季節が巡っても~追憶~
第56章 ふたりとも好き1(再編済)
だけど喋ったところで、みんながみんなその経緯を信じてくれるどうか。
定かじゃないけど、恐らく-穿った見方をしてくる人達だってきっといる。
即ち、准教授と学生の関係だった頃から、実はそういう仲だったのではないかと。
学生-しかも未成年をどうかした『先生』。
間違っても、彼をそんな風に誤解されたくない。
彼の名誉にかけて、そんな行為は一切なかった。
その辺りは誰よりも厳しく線引きし、きちんと弁えていた。
片想いの自分としてはそれがもどかしくもあったりしたが-今にして思えば、そういう事は頑なに譲らない彼だったからこそ、こんなにも好きになれたのだとも思う。
ただの男と女として再び巡り合い。
その末にようやく誰の目も気にせずに、やっと今のような関係になれたのだ。
自分の事はどう思われても構わない。
だけど彼の事は別だった。
真実ではない事で。
勝手な憶測だけで。
心無い噂なんかで。
あんなにも立派なひとを傷付ける可能性があるのなら-言えなかった。
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