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桜の季節が巡っても~追憶~
第56章 ふたりとも好き1(再編済)
『お前が何かを思い悩む必要なんて、これっぽっちもない』
そう、言ってくれた。
笑ってくれた。
全部を鵜呑みになんて勿論してないけれど。
でも、ありがたかった。
そのひとこと。
その笑顔。
申し訳ない事をしてしまった-胸を塞ぐ重しが確かに少し、軽くなったのだ。
でも、大樹は。
そういう何かを、直接言われた事はない。
だから今の彼の気持ちは-正直、分からない。
確かなのは『先生』の名を出しただけで、彼の表情は一瞬とはいえ険しくなった事-。
大樹との経緯は最後まで話してあり、よく知ってるはずなのに、麻衣はお構いなしに彼に話を振っている。
なんの迷いもないのが、彼女らしいと言えば彼女らしいのだけど-今はちょっと、勘弁して欲しい。
これ以上の刺激は避けた方がいい-奔放な麻衣を制しようとするが、彼女が早口で捲し立てる方が僅かに早かった。
「有栖川先生が昨夜、徹夜で泉夏をさあ~!」
「麻衣っ」
ある事ない事喋ってしまいそうな勢いの親友に、泉夏は叫んでしまう。
それ以上言ったら承知しないからねっ-目で訴えようとしたところ、大樹の声が割り込んできた。
そう、言ってくれた。
笑ってくれた。
全部を鵜呑みになんて勿論してないけれど。
でも、ありがたかった。
そのひとこと。
その笑顔。
申し訳ない事をしてしまった-胸を塞ぐ重しが確かに少し、軽くなったのだ。
でも、大樹は。
そういう何かを、直接言われた事はない。
だから今の彼の気持ちは-正直、分からない。
確かなのは『先生』の名を出しただけで、彼の表情は一瞬とはいえ険しくなった事-。
大樹との経緯は最後まで話してあり、よく知ってるはずなのに、麻衣はお構いなしに彼に話を振っている。
なんの迷いもないのが、彼女らしいと言えば彼女らしいのだけど-今はちょっと、勘弁して欲しい。
これ以上の刺激は避けた方がいい-奔放な麻衣を制しようとするが、彼女が早口で捲し立てる方が僅かに早かった。
「有栖川先生が昨夜、徹夜で泉夏をさあ~!」
「麻衣っ」
ある事ない事喋ってしまいそうな勢いの親友に、泉夏は叫んでしまう。
それ以上言ったら承知しないからねっ-目で訴えようとしたところ、大樹の声が割り込んできた。

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