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桜の季節が巡っても~追憶~
第57章 ふたりとも好き2(再編済)
「自分は有栖川先生とうまくやってるくせに、俺は誰ともそうなっちゃいけないって-」
-そういう意味?
龍貴の鋭いひとことが、泉夏に突き刺さる。
言い返せない。
違うと即答したいのに-しなきゃいけないのに。
黙っていれば、彼を肯定する事になる。
なのにどうして何も言えないの?
拒絶しておきながら。
自分は幸せになっておきながら。
それでもまだ彼を縛っていたい?
彼の幸せを願っていない?
まさかだった。
こんなにも好きなのに。
こんなにも好きになってくれたのに。
誰よりも幸せになって欲しいと思ってる。
その気持ちに一ミリだって、偽りはなかった。
ないのに-。
自分に縋る泉夏の瞳に、龍貴は苦笑する。
「なに?訊いたのは俺の方なんだけど?」
いつの間にか彼に頼っていた自分に気付かされる。
そんな恥知らずな自分がとてつもなく嫌になり、泉夏は泣きたくなってしまう。
しかし、僅かな変化も決して見逃さない龍貴に、先回りされる。
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