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桜の季節が巡っても~追憶~
第57章 ふたりとも好き2(再編済)
「でた。また得意の俺のせい」
「…だって」
そんな事ずっと思ってるのは自惚れ過ぎ。
自意識過剰なだけ。
まさか訊けもしない-『まだ自分の事を好き?』だなんて。
難しい顔で項垂れる泉夏に、龍貴は苦笑いした。
「言っとくけど。別に責めてるわけじゃない。この立ち位置が不満なわけでもない。…そもそも俺が自分で望んでこうなったわけだし?」
-そこは、誤解されたくない。
龍貴の言葉は泉夏の胸に、形容し難い痛みと重みを与えてゆく。
「だめなものは、俺は初めから良しとしない」
「…」
「自分の気持ちに逆らうような事は絶対にしない。いつどんな時でも、俺は俺の心に正直に行動する。誰にも遠慮はしない。誰に対しても、申し訳ないなんてのも思わない。自分で正しいと思った事をするだけだ。だから俺は俺の意思で-」
-有栖川先生の所まで、お前を連れて行った。
泉夏の右目から零れたひと粒は、龍貴の指によって拭われた。
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