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桜の季節が巡っても~追憶~
第57章 ふたりとも好き2(再編済)
「お前の長い片想いを叶えてやりたいって心から思った。先生が本気なら、お前を渡してもいいかなって。お前が…お前達が幸せになるなら、自分の事は-」
-まあ、いいかなって。
店の灯りに半分照らされた龍貴の顔が、笑った。
あの日。
あの時。
彼がどんな思いで自分の手を引いて、ホテルまで連れて行ってくれたか。
左目からも涙の筋が頬に伝った。
両眼から熱いものを流し始めた泉夏を、龍貴はからかう。
「しかしお前はよく泣くね。何回俺を困らせたら気が済むわけ?」
「…」
「あいつと俺と、どっちの前で泣く事が多いわけ?一応訊くけど」
「りゅう…っ!」
嗚咽を漏らす泉夏に溜め息を吐《つ》きながらも、龍貴は濡れた彼女の頬に両手で触れる。
「人聞きの悪い事を言うなよ。女を泣かせた事ないのが、俺の唯一の自慢だったのに」
-お前のせいで、その唯一の自慢もなくなっちゃっただろ。
涙で冷たくなった泉夏の両頬を、龍貴は包んだ。
-まあ、いいかなって。
店の灯りに半分照らされた龍貴の顔が、笑った。
あの日。
あの時。
彼がどんな思いで自分の手を引いて、ホテルまで連れて行ってくれたか。
左目からも涙の筋が頬に伝った。
両眼から熱いものを流し始めた泉夏を、龍貴はからかう。
「しかしお前はよく泣くね。何回俺を困らせたら気が済むわけ?」
「…」
「あいつと俺と、どっちの前で泣く事が多いわけ?一応訊くけど」
「りゅう…っ!」
嗚咽を漏らす泉夏に溜め息を吐《つ》きながらも、龍貴は濡れた彼女の頬に両手で触れる。
「人聞きの悪い事を言うなよ。女を泣かせた事ないのが、俺の唯一の自慢だったのに」
-お前のせいで、その唯一の自慢もなくなっちゃっただろ。
涙で冷たくなった泉夏の両頬を、龍貴は包んだ。

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