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桜の季節が巡っても~追憶~
第58章 ふたりとも好き3(再編済)
「な、なんでも…!」
-ない。
短く言い切り。
グラスに唇をつけた泉夏に、龍貴は眉を顰《しか》めた。
『なんでもない』風には全く見えない。
「は?なに?」
龍貴がぎりぎりまで顔を寄せてきた。
「まさかもう酔っぱらってるんじゃないよな?」
誤魔化しの利かない両眼に縛られ、泉夏は身動き出来ない。
「まさかっ。まだ二杯目だよ?」
それでもどうにか返答し、龍貴から逃れるように、泉夏はさり気に身体を後ろに引いた。
『酔ってない事』でなく。
『なんでもない事』を完璧信用などしていない疑いの眼差しを、龍貴は送ってくる。
内心冷や汗ものだが、そこは努めて冷静を装う。
なんとかこの話題から興味を逸らしたい-必死に考え巡らせていれば、ワイシャツのポケットを探る龍貴に気付く。
予め近くに用意されてあった黒い灰皿を、泉夏は彼の目の前に置いた。
無言で差し出されたそれに、龍貴がまじましとこちらを見返した。
-ない。
短く言い切り。
グラスに唇をつけた泉夏に、龍貴は眉を顰《しか》めた。
『なんでもない』風には全く見えない。
「は?なに?」
龍貴がぎりぎりまで顔を寄せてきた。
「まさかもう酔っぱらってるんじゃないよな?」
誤魔化しの利かない両眼に縛られ、泉夏は身動き出来ない。
「まさかっ。まだ二杯目だよ?」
それでもどうにか返答し、龍貴から逃れるように、泉夏はさり気に身体を後ろに引いた。
『酔ってない事』でなく。
『なんでもない事』を完璧信用などしていない疑いの眼差しを、龍貴は送ってくる。
内心冷や汗ものだが、そこは努めて冷静を装う。
なんとかこの話題から興味を逸らしたい-必死に考え巡らせていれば、ワイシャツのポケットを探る龍貴に気付く。
予め近くに用意されてあった黒い灰皿を、泉夏は彼の目の前に置いた。
無言で差し出されたそれに、龍貴がまじましとこちらを見返した。

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