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桜の季節が巡っても~追憶~
第58章 ふたりとも好き3(再編済)
「龍貴さん、飲み物どうぞ」
店員が運んで来たビールを、麻衣は龍貴に手渡した。
麻衣の手を両手で包みこむようにして龍貴がジョッキを受け取れば、酔いとは無関係に彼女の頬が紅潮する。
異性には限りない優しさと気遣いをみせる龍貴によって、麻衣はたちまち心奪われる。
「ありがと、麻衣ちゃん」
惜しみない龍貴の微笑みに、麻衣は完全に止《とど》め刺された。
熱に浮かされたかのような親友の瞳に、正直引きもしたが-今回ばかりは『助かった』と胸を撫で下ろさずにはいられなかった。
これ以上詮索されたら、どうなっていたか分からない。
『介抱』されたがってる、だなんて。
冗談でもそれを聞いたら、彼はどうするのだろう。
『泣く』だなんて耳にしたら-先週の事を思い出してしまう。
傷付けた自分を、またしても責めたくなってしまった。
でもそんな事、両方とも口になんて出来ないから、黙っているしかない。
店員が運んで来たビールを、麻衣は龍貴に手渡した。
麻衣の手を両手で包みこむようにして龍貴がジョッキを受け取れば、酔いとは無関係に彼女の頬が紅潮する。
異性には限りない優しさと気遣いをみせる龍貴によって、麻衣はたちまち心奪われる。
「ありがと、麻衣ちゃん」
惜しみない龍貴の微笑みに、麻衣は完全に止《とど》め刺された。
熱に浮かされたかのような親友の瞳に、正直引きもしたが-今回ばかりは『助かった』と胸を撫で下ろさずにはいられなかった。
これ以上詮索されたら、どうなっていたか分からない。
『介抱』されたがってる、だなんて。
冗談でもそれを聞いたら、彼はどうするのだろう。
『泣く』だなんて耳にしたら-先週の事を思い出してしまう。
傷付けた自分を、またしても責めたくなってしまった。
でもそんな事、両方とも口になんて出来ないから、黙っているしかない。

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