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桜の季節が巡っても~追憶~
第58章 ふたりとも好き3(再編済)
『相変わらず、すげー元気』をさり気なくどころか、きっちり強調していたのは明らかだった。
『その程度の言葉で怒ったりなんかしない』のは正しいけど、狼狽える大樹を見て、絶対遊んでるに間違いなかった。
初対面の男子達がすぐさま羨望の眼差しを送ったのと同じように、大樹もまた憧れに近い感情を以前から彼に抱《いだ》いている。
怖がりもしつつ『久々に自分に会えて嬉しい』と思ってくれてるだろうひとを、早々に弄らなくてもと思うのだ。

『なんか俺が苛めてるみたいじゃん?』

さも被害者のように振る舞ってるけど、実際被害を被っているのは誰か-言わずもがなだった。
もうそれぐらいにしたらと、泉夏が龍貴の腕を引こうとした時。
不快感も露わな声が割り込んできた。
「伊東君、そこ私の席ー!」
山盛りの料理を両手にした麻衣が、仁王立ちしていた。
「そこは空いてたんじゃなくて、龍貴さんの料理を取りに行ってる間にちょっと空席だっただけ!」
麻衣迫られ、大樹はたじろいでしまう。
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