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桜の季節が巡っても~追憶~
第58章 ふたりとも好き3(再編済)
彼の『いいところ』なんていくらだって言える。
どんなに話したって、話し足りない。
こんなに好きで。
こんなにも逢いたいひと。
愛しくて堪らない。
なのにどうして、側にいられないのだろう。
堰を切ったように溢れてくる想い。
彼の大好きなところをひとつ口にする度、切なくて。
甘くて苦い。
鈍くて鋭い。
そんな痛みが胸を締め付け、刺激する。
こんな場所でまさか泣くわけにもいかず。
自分自身を奮い立たせるように、泉夏は勢いよく顔を真正面に向けた。
そしてすぐさま、肩を竦める事態となる。
全員が言葉を発する事もなく、じっとこちらを見詰めていた。
「え?えっ?なに?」
-どうかした?
助けを乞うようにクラスメートを見るが、誰ひとりとして答えはくれない。
私、なんか変な事言っちゃったっけー自分の言動を思い返す。
興奮からつい、随分色々と喋ってしまった気もする。
恐々と辺りを見回せば『笹木君』が大きく肩を落とした。
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