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桜の季節が巡っても~追憶~
第59章 決断と独占の果て1(再編中)
鏡の中の自分をじっと見詰め、手櫛で前髪を整える。
爪先から徐々に視線を移し、黒いストッキングについていた、極小さな糸くずを発見。
手を伸ばしたところで、微かな金属の音がした。
しゃがんだ状態で固まっていれば、やがてドアが部屋の内側に遠慮がちに開いた。
そこに立つ人物の足元を目にしただけで、心臓は通常の何倍増しかで動き出す。
逸る気持ちを抑えゆっくりと顔を上げれば、自分を見下ろす優しい双眸にぶつかった。
泉夏は慌ててその場に立ち上がり、持っていたファンデーションを閉じた。
五カ月振りの再会だというのに、なんて格好を自分は晒しているのだろう-頬が燃えるように熱くなる。
廊下に座り込んで、ファンデーションを手になんかして。
おかしなところはないか確かめる為の、単に道具として使っていたに過ぎないのだが-そんな事、彼は知る由もない。
場所を選ばず地べたに座って、どこででも化粧をする女だと思われたら-想像するだけで泣きたくなってしまう。
楽しみで楽しみで仕方がなかったのに、一瞬で羞恥の時間と化してしまった。
爪先から徐々に視線を移し、黒いストッキングについていた、極小さな糸くずを発見。
手を伸ばしたところで、微かな金属の音がした。
しゃがんだ状態で固まっていれば、やがてドアが部屋の内側に遠慮がちに開いた。
そこに立つ人物の足元を目にしただけで、心臓は通常の何倍増しかで動き出す。
逸る気持ちを抑えゆっくりと顔を上げれば、自分を見下ろす優しい双眸にぶつかった。
泉夏は慌ててその場に立ち上がり、持っていたファンデーションを閉じた。
五カ月振りの再会だというのに、なんて格好を自分は晒しているのだろう-頬が燃えるように熱くなる。
廊下に座り込んで、ファンデーションを手になんかして。
おかしなところはないか確かめる為の、単に道具として使っていたに過ぎないのだが-そんな事、彼は知る由もない。
場所を選ばず地べたに座って、どこででも化粧をする女だと思われたら-想像するだけで泣きたくなってしまう。
楽しみで楽しみで仕方がなかったのに、一瞬で羞恥の時間と化してしまった。

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