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桜の季節が巡っても~追憶~
第59章 決断と独占の果て1(再編中)
でも同じ答えの繰り返しでも嬉しかった。
温もりと吐息を伴う返事は初夏振りで。
ましてや匂いは、どうあっても感じる事は不可能だった。
嗅覚を刺激する彼女の香りに、意識も、脳も、甘く攪拌かくはんされてゆく。
ようやく逢えた愛しいひとを包み込むように、秀王は抱き締めた。
「今日着てる服、この間麻衣と買いに行ったの。その時にね、たまたまた通りかかったお店でこの香水を試してみたんだけど、凄くいい香りで。…私には大人っぽ過ぎるかなって、随分迷ったんだけど」
慣れない故になんだか言い訳をしているようで、恥ずかしさが泉夏を襲う。
「洋服も、香りも、泉夏によく似合ってるよ」
「…ほんとに?」
「ほんとだよ。本当にそう思ってる」
ほんのちょっぴり疑いを含んだ泉夏の念押しに、秀王は苦笑いした。
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