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桜の季節が巡っても~追憶~
第59章 決断と独占の果て1(再編中)
「ドアスコープを覗いてみたら、しゃがみ込んだ泉夏がいた。『気のせいじゃなかった』ってほっとして、声をかけようとした間際…その、何かをしてるらしい泉夏に気付いたんだ」
濁してはくれてるものの、彼が『何か』を知っているのは明白だった。
深い深い穴を掘って、速攻で隠れてしまいたくなる。
それは実際には無理で、ただただ彼の胸に顔を押し付け、恥ずかしさをひた隠す為にしがみ付くしかない。
相当に参ってしまってる泉夏をこれ以上刺激しないように、秀王は静かにその背を撫でる。
きっとこうさせてしまうし、喋る必要はないと思ってた。
なのについ口を滑らせてしまった自分が呪わしい。
恥を掻かせる気など更々なく、それどころか嬉しさに興奮してしまったのだが-残念ながら、それは今の彼女には関係ない事で。
「覗き見なんて悪趣味な事、するつもりはなかった。確かに見てしまったけど、すぐにドアから離れたよ。信じて欲しいけど…難しいかな」
言い訳じゃなく真実だったが、信じてくれるかどうかは彼女次第で。
秀王が恐る恐る探れば、短くない間を置いて、か細い声がした。
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