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桜の季節が巡っても~追憶~
第59章 決断と独占の果て1(再編中)
「…馬鹿みたいだって」
-笑って。
もういっそ笑い話にしてもらった方が、気が楽だった。
化粧室に寄って隈なくチェックをした後に、往生際悪く廊下で化粧道具を開いたりなんかして。
どんなに時間をかけても、限度というものがある。
いわゆる美人でもないし、精一杯のお洒落をしても、実はそうも変わってないのかもしれない。
なのにまさかのひとり百面相を見られてもいて-恥以外ない。
「笑わないよ」
落ち込み増す泉夏に、秀王は即答した。
「数秒、泉夏の知らないところで見てしまったのは申し訳なく思う。でも本当に俺は嬉しくて…『おかしい』って言うより『微笑ましかった』が正しい」
「微笑ましい…?」
「うん。綺麗に身支度をしてホテルに来てくれて嬉しい。部屋ここに着く前にトイレに寄ったのも、部屋の前で鏡を確認してたのも、みんな俺の為なのかなって自惚れ始めたら…もう、そうとしか思えなくなってしまった」
-馬鹿みたいなのは、俺の方だ。
低い笑い声が彼の胸を通して耳へと響き、泉夏の恥ずかしさが薄らいでゆく。
彼がそうあるように、自分も彼を『馬鹿みたい』とは決して思わない。
だってみんな『本当の事』だから。
-笑って。
もういっそ笑い話にしてもらった方が、気が楽だった。
化粧室に寄って隈なくチェックをした後に、往生際悪く廊下で化粧道具を開いたりなんかして。
どんなに時間をかけても、限度というものがある。
いわゆる美人でもないし、精一杯のお洒落をしても、実はそうも変わってないのかもしれない。
なのにまさかのひとり百面相を見られてもいて-恥以外ない。
「笑わないよ」
落ち込み増す泉夏に、秀王は即答した。
「数秒、泉夏の知らないところで見てしまったのは申し訳なく思う。でも本当に俺は嬉しくて…『おかしい』って言うより『微笑ましかった』が正しい」
「微笑ましい…?」
「うん。綺麗に身支度をしてホテルに来てくれて嬉しい。部屋ここに着く前にトイレに寄ったのも、部屋の前で鏡を確認してたのも、みんな俺の為なのかなって自惚れ始めたら…もう、そうとしか思えなくなってしまった」
-馬鹿みたいなのは、俺の方だ。
低い笑い声が彼の胸を通して耳へと響き、泉夏の恥ずかしさが薄らいでゆく。
彼がそうあるように、自分も彼を『馬鹿みたい』とは決して思わない。
だってみんな『本当の事』だから。

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