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桜の季節が巡っても~追憶~
第59章 決断と独占の果て1(再編中)
「雪こそ降ってなかったけど、かなり寒い日だったって記憶してる。後ろから突然声をかけられて、びっくりした。でももっと驚いたのは、薄手のコート一枚羽織ってない泉夏がひとり立ってた事だった」
「あ…」
そう言えばそうだった-泉夏は思い出す。
冬休みに突入し、また明日から暫く逢えない彼が、カフェテリアのガラス窓の向こうを横切った。
気付いたら走り出していた。
どうにか追いついた彼の背中に、叫んでた。
『今年最後の質問がしたいです』
もう二年も前の出来事だ。
突如始まった昔話に、泉夏は恥ずかしくなってしまう。
「あ、あの時は、コート着てる暇もなくて。車に乗って帰ってしまう前に、急いで先生を引き止めたくて-」
-それで。
口籠る泉夏に、秀王は一笑する。
そうこうしているうちにまたひとつ、ボタンが彼の手によって嵌められた。
「泉夏の吐く息が白くて。頬が赤くて。細い身体がとても寒そうで。思わず一瞬、思ってってしまったんだ」
-『自分の着ているコートを着せてあげたいな』って。
形容し難い笑みで告げる秀王の顔を、泉夏は食い入るように見詰めた。
「あ…」
そう言えばそうだった-泉夏は思い出す。
冬休みに突入し、また明日から暫く逢えない彼が、カフェテリアのガラス窓の向こうを横切った。
気付いたら走り出していた。
どうにか追いついた彼の背中に、叫んでた。
『今年最後の質問がしたいです』
もう二年も前の出来事だ。
突如始まった昔話に、泉夏は恥ずかしくなってしまう。
「あ、あの時は、コート着てる暇もなくて。車に乗って帰ってしまう前に、急いで先生を引き止めたくて-」
-それで。
口籠る泉夏に、秀王は一笑する。
そうこうしているうちにまたひとつ、ボタンが彼の手によって嵌められた。
「泉夏の吐く息が白くて。頬が赤くて。細い身体がとても寒そうで。思わず一瞬、思ってってしまったんだ」
-『自分の着ているコートを着せてあげたいな』って。
形容し難い笑みで告げる秀王の顔を、泉夏は食い入るように見詰めた。

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