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桜の季節が巡っても~追憶~
第13章 デート前の波乱1
さっきは熱を帯び、疼いていたのに。
今は、エアコンが効いた室内に長時間いたせいなのか、僅かにひんやりとした彼の指先で触れられ、そこが徐々に冷やされてゆく。
心地良さに、暫しうっとりとしていると、名を呼ばれた。
「泉夏、行きたい所は決まった?どこがいいの?」
優しく問われ、泉夏は彼を見上げた。
それが…-泉夏は正直に、まだどこかいいか決め兼ねている事を伝えた。
「そうなの?じゃあ、もう少し考えてみてから行こう?」
泉夏は促され、素直にその言葉に従う。
初めてのデート-ちょっと前まではもの凄く、楽しみにしていたのに。
今だって、勿論、楽しみだ。
でも今の私は、心が全部、目の前の彼に向かっていない-それを、認めざるを得ない。
あくまでも自分の意見を最優先しようと、再び考える時間を与えてくれたのに-申し訳なく思う。
知らず、溜め息が漏れてしまう。
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