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桜の季節が巡っても~追憶~
第13章 デート前の波乱1
口の開いたポーチから、口紅も、マスカラも、ファンデーションも-とにかく全てのそれが音を立てて床の上を滑り、四方に飛び散った。
しかし、拾い集める事は叶わない。
カーテンのかかるガラス窓に背を強く押し付けられ、乱暴に口を塞がれた。
凌辱されてる-そう、表現するに相応しい、優しさなど皆無の口付け。
いつもとまるで違うキスに、泉夏は戦く。
逃れたいけど、力でなんか全く勝てるはずなどなく、されるがままに口内を犯され続ける。
やがて、唇の端から唾液が流れ落ち始めるが、拭う事なんかも出来る訳がなく、首筋へ垂れてゆく。
拒絶したいのに、所詮狭い口内では逃げ場もなく、すぐに捕らわれ、彼のそれに簡単に絡らみ取られる、舌。
何故突然、自分がこんな風に彼に扱われるのか、まるで分からなかった。
酸欠で意識が遠くなりそうになる。
もう、限界-思った時、ようやく、ふたりの唇は離れる事を許された。
肩を激しく上下させながら、なんとか呼吸を整えようとする。
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