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桜の季節が巡っても~追憶~
第16章 三年目のデート1
「近くにはいないけど、電話もメールもいつもくれる。私、毎日、凄く楽しみにしてるんだよ」
言って、泉夏は彼を見上げて、小さく笑う。
秀王は、微妙な笑みを浮かべた。
「…それは、俺の毎日の一番の楽しみだから」
「え…?」
「泉夏にメールを送るのも、電話をするのも、今の俺にとって、毎日欠かす事の出来ない日常の一部分で。勿論、泉夏を想ってしている事だけど。でもそれと同じくらい、自分の為でもある。言葉は悪いけど、泉夏だけの為ではなく、俺自身の喜びの為でもあるって言うか」
秀麗な彼の横顔が、柔らかく、崩れる。
「逢いたくて逢いたくて…でも、逢えなくて。その想いは文字と声に託すしかなくて。貰った返信はどんな些細な一言だって、何度だって読み返す。声を聞けば、身体中が甘く、痺れる。媚薬を耳元から流し込まれたかのように」
微笑まれ、泉夏は恥ずかしくて堪らなくなる。
既に赤かった頬が、更に熟してしまう。
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