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桜の季節が巡っても~追憶~
第16章 三年目のデート1
「逢えない淋しさを、せめて少しでも埋めようとしてるのに。埋めるどころか、増々逢いたくて堪らなくなる。今何をしながら、メールを打ってくれてるのかなとか。今どんな表情(かお)で、話をしてくれてるのかなとか。余計な事ばかり次々と想像して、どんどん切なくなる。興奮してしまう。逢えないのに。逢えないのは百も承知で、逢いたくて堪らなくなる」
今、絡めてる、この指でさえ、まだ夢なのかと思ってしまう。
逢いたい気持ちが遂に作り出してしまった、幻なのではないかと。
「なら、いっそ、メールも電話も止めた方が、楽になれるんじゃないかと思うけど。でもそれはそれで、また耐え難い苦しみで。メールを貰っては喜び。逢いたい想いを募らせて。電話で声を聞いてはそれは嬉しくて。逢いたいどころか、もう触れたくて堪らなくなる。今すぐ抱き締めたくて仕方なくなる-」
どうしようもなく無意味に昂ぶった心と、身体。
でも、どうしようもなくて。
彼女はいなくて。
ひとりでどうにかするしかなかった。
なのに。
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