この作品は18歳未満閲覧禁止です

- 小
- 中
- 大
- テキストサイズ
桜の季節が巡っても~追憶~
第16章 三年目のデート1
「あとね。先生が読んでた本が知りたい」
「読んでた、本…?」
「うん。二カ月前のもだけど。去年の夏に、先生が読んでた本。文学の、みっつめの棚にある本。先生とお別れてしてから私、図書館に行く度、未練がましく探してた。みっつめの一番上の棚にある本を、順番に一冊ずつ、何度も何度も読んでいた。そうする事で、せめて、先生と少しでも繋がっていたかった。先生が手に取った本。先生がページを捲った本。きっと先生と同じところで笑って、同じところでどきどきしながら読んだ物語の-」
綺麗に塗られた桜色の艶やかな指先が、彼のそれと交互に絡んでる。
その繋がれた手を、ぎゅっと、握る。
絡む手と手と同じように、ふたりの目と目もまた、絡み合った。
「教えて、先生」
泉夏に願われ、秀王はやがて小さく-でも、何度も、頷いた。
「勿論。勿論、泉夏-」
どうして、彼女は。
どうして、自分が愛する彼女は。
どうして、自分を愛してくれているであろう彼女は。
「読んでた、本…?」
「うん。二カ月前のもだけど。去年の夏に、先生が読んでた本。文学の、みっつめの棚にある本。先生とお別れてしてから私、図書館に行く度、未練がましく探してた。みっつめの一番上の棚にある本を、順番に一冊ずつ、何度も何度も読んでいた。そうする事で、せめて、先生と少しでも繋がっていたかった。先生が手に取った本。先生がページを捲った本。きっと先生と同じところで笑って、同じところでどきどきしながら読んだ物語の-」
綺麗に塗られた桜色の艶やかな指先が、彼のそれと交互に絡んでる。
その繋がれた手を、ぎゅっと、握る。
絡む手と手と同じように、ふたりの目と目もまた、絡み合った。
「教えて、先生」
泉夏に願われ、秀王はやがて小さく-でも、何度も、頷いた。
「勿論。勿論、泉夏-」
どうして、彼女は。
どうして、自分が愛する彼女は。
どうして、自分を愛してくれているであろう彼女は。

作品検索
しおりをはさむ
姉妹サイトリンク 開く


