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桜の季節が巡っても~追憶~
第16章 三年目のデート1
全く以(もっ)て正しい-口唇を噛むしかない。
ちょっとだけ、泣きそうになる。
無意識の内に、繋いだ手に力が入る。
泉夏の横顔が哀しげに少し歪んだのを見て、秀王は慌ててフォローする。
「ごめん。意地悪な言い方だった」
間違っても泣かせたりなんてしたくない彼は、即座に謝罪する。
そして、自分の心情を、静かに伝え始める。
「行っていいって。行って欲しいって。思ったのは本当。…でも、行って欲しくないなって思ったのも、本当。自分でもどっちなんだって、笑ってしまうけど」
顔を上げた彼女と、視線が合った。
「泉夏の事だけは、平静でいられなくなる時がある。なんでもないって分かっているのに、必要ない事ばかり考えてしまったり。醜いなって思うけど、羨ましいって妬いてしまったり-おかしいだろ?」
同意を求められ-しかし、泉夏は真摯な眼差しで、首を何度も横に振る。
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