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桜の季節が巡っても~追憶~
第17章 三年目のデート2
「先生もこの本が好きならいいなって思ってたの。あの時、先生が読んでいた本がこれだったらいいのになって、ずっと、ずうっと、思ってた。思いながら-」
-何十回も。
目尻に滲む、涙。
-嬉しい。
唇を噛み締めた彼女のまなじりを、彼は指でそっと、拭った。
水滴を拭いてくれた手は、次は頭上に伸び、優しく泉夏の髪を撫でた。
-泣かないで。
その手は、そう、言っていた。
泉夏は、頷いた。
また涙を溢れさせてしまわないように。
気持ちを切り替えるか如く、泉夏は小声で尋ねた。
「二カ月前に読んでいた本は?」
彼女胸元に収まっている本を、秀王は目線で示した。
-これ?
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