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桜の季節が巡っても~追憶~
第17章 三年目のデート2
泉夏もまた視線で返すと、彼は笑って応えた。
ひと目で分かる程に、泉夏の表情が明るくなる。
-おんなじ本、だったんだ。
今まで知りたかった疑問がやっと晴れ、泉夏は嬉しくなる。
折角だから、今日はこの本を借りて行こう-思ったところで突然、右手を彼に掴まれた。
不審に感じながらも手を引かれ向かった先は、文学のひとつめの棚。
「先生…?」
さっぱり訳が分からずにいると、秀王は暫しその棚を探す素振りを見せ、やがて、一番下の段から一冊の本を手に取った。
再び、差し出される、それ。
-先生?
恐る恐る手を伸ばせば、秀王が耳元に顔を近付けてきた。
「夏休み明けの早朝。桜の木の下のベンチで-」
泉夏は絶句し、彼の顔をまじまじと見詰める。
-覚えてる?
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