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桜の季節が巡っても~追憶~
第17章 三年目のデート2
-決まってる。
泉夏は頷く。
彼もまた、同じく頷き、笑った。
「その時に読んでた本」
耳朶に、彼の吐息を感じた。
まるで昨日の事のように、記憶が甦る。
大学一年生。
夏休み明けの初日、早朝七時前。
桜の木の下のベンチに座っていた、あなた。
カバーのかかった単行本。
活字を追う、眼鏡の奥の真剣な眼差し。
ただ静かに、見守る、私。
だって、あの頃は、声をかけるなんて。
だって、あの頃は、まさか私から。
まさかあなたに、訊くだなんて。
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