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桜の季節が巡っても~追憶~
第19章 日曜日の朝2
その名を出されれば、即座に反応してしまう自分が恨めしい。
焦って龍貴に向き直れば-最高に底意地の悪い笑顔が待っていた。
脈拍が乱れ始める。
ほんっと、彼には絶対に隠し事なんて出来ない。
やり過ごせるかな-少しでも思ってしまった、自分が馬鹿だった。
無理だった。
なんて言ったらいいのか分からず、口を開(ひら)けない。
「何?先生に、龍貴とは口を利いちゃだめだとでも言われた?」
からかうような口調に、泉夏は赤くなりつつも、否定する。
「…先生はそんな事、言わないし」
「偶然会ったコンビニで、立ち話をするのも禁止って言われた?」
連続で意地の悪い質問を投げ掛けられ、泉夏は眉間に皺を寄せる。
「…そんな事、先生は絶対に言わない。龍だって知ってるでしょ」
絞り出すように言えば、龍貴は鼻で笑った。
そして、言った-よく知ってるよ、と。
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