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桜の季節が巡っても~追憶~
第19章 日曜日の朝2
「なあんだ。泣いたら、また抱いてやろうとしてたのに」
龍貴は喉を鳴らす。
抱く-その単語に、妙にどきどきしてしまう。
深い意味などないのに。
『抱き締めてやる』
それだけの意味なのに。
過敏に、異様に、一つの言葉に反応してしまう自分-そんな自らが恥ずかしくなる。
「身体中に俺の匂い付けてやったら、今度こそ本当に殺しに来るかもしれない。…怖いな」
「…だから。先生はそんな事、しないって」
「そんな風に、怒ればいいのにな、先生」
「え…?」
「俺やお前に負い目なんか感じないで、嫌なら嫌って、はっきり言ってくれればいいのにな」
「…」
「そんなの感じてない。本当に怒(いか)ってなんかないって、あくまでも言うのなら、それはそれでいいけれど」
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