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桜の季節が巡っても~追憶~
第23章 誕生日の贈り物1
言い淀む泉夏の頭上に、彼の掌が乗せられた。
泉夏が何かを言おうと口を開(ひら)くのより早く、優しく、撫でられる。
先程までの恥ずかしさとはまた異なるものが込み上げ、泉夏の胸は大きく高鳴る。
「怒ってもいないし。そんな事で傷付くようなプライドも、最初から持ち合わせていない」
いつ見ても非の打ちどころのない、秀麗なその顔が、微笑んでいる。
「せ、せんせ…」
乾いた喉から、必死に声を絞り出す。
「何?」
「青信号に…なったよ?」
「そうみたいだな」
秀王は重ねて笑い。
背後に並んだ人達の通行の妨げにならぬよう、彼女の手を引き、再び歩き出す。
いつまで経っても慣れない、彼の笑顔。
いつまで経っても慣れない、彼に疼く、胸。
繋がれたこの手も、熱く、切なく、堪らない。
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