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桜の季節が巡っても~追憶~
第26章 出発前の甘い夜2
僅かしかない。
彼女との様々な事が。
遠い昔の忌まわしい記憶が、必要以上に誰かと親しくなる事を拒んだ。
そういう人生を、もう今まで、ずっと。
ひとりで、生きてきた。
それを特別不幸だとも。
そんな自分をかわいそうだとも思わなかった。
何故なら、もうずっと、これが当たり前の事だったから。
誰の事も求めなかったのに。
これからもそういう人生だったはずなのに。
どうして彼女は求めてしまったのだろう。
どうして彼女をこんなにも、欲してしまったのだろう。
本当に陳腐過ぎる表現だと、我ながら笑ってしまうけど。
身を焦す程の恋に堕ちるだなんて。
甘い痛みを抱え、夜毎彼女を想いながら眠る日々が訪れるだなんて。
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