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桜の季節が巡っても~追憶~
第26章 出発前の甘い夜2
手を繋ぐ事も。
抱き合う事も。
彼女とならどんな事でも勿論、嬉しい。
けれど。
互いの唇を重ね合うこのひとときも、堪らなく好きだった。
彼女の吐息を。
香りを。
温もりを。
これ以上ないくらい身近に感じ。
その細い腰を抱き寄せ、ふたりでお互いを心ゆくまで貪る、甘美な時間-。
「ん…しゅう…」
離れた直前。
切なげな息を吐(つ)かれ、正直な身体の部分が熱く、疼く。
どう呼んでもらっても構わないけれど。
名前を口にされるのは、やはり特別な意味を持つ。
彼女の唯一無二の存在だと。
たったひとつの存在になれたと、より実感出来るから。
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