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桜の季節が巡っても~追憶~
第26章 出発前の甘い夜2
安堵と、その甘かな声音で名前を呼ばれた嬉しさに、彼もまた微笑んだ。
頭に触れ、頬を撫で、秀王は泉夏を気遣う。
「痛くさせてなかった?疲れてない?」
-大丈夫?
問われ。
微かに恥ずかしくなりながらも、泉夏は小さく頷く。
なら、良かった-自らを包む彼の腕の温かさと、背中を優しく擦ってくれる指先。
自分がどんなに大事に。
どんなに大切にされているかを改めて感じ、どうにか我慢した涙がまた出そうになる。
誤魔化すようにあえて大きめの声で、泉夏は謝罪を口にする。
「またずっと『先生』って呼んじゃってたね」
「どっちでも構わない」
-泉夏が呼んでくれるのなら、どんなでも。
秀王はその両眼を細めた。
「それに気付いて…やめたの?」
訊かれた泉夏は羞恥を隠すように再び秀王に抱き付き、彼の胸に顔を預けた。
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