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桜の季節が巡っても~追憶~
第26章 出発前の甘い夜2
泣きたくなるくらいの幸せをもらっているのに-情けなくなる。
どうしたら喜んでくれるか。
どうやったら笑ってくれるのか。
知らないならともかく、ちゃんと分かっているのに。
「そんなまるで義務のように思ってなくても大丈夫だよ」
そんな落ち込みなど、彼には全てお見通しで。
笑い声が、胸を通して耳に響いてくる。
「呼んで欲しいなんて言った手前、今更かもだけど。なるようになればそれでいい。そんな無理矢理じゃなくて。そんな急がなくっても」
-いつかそうなれば、それでいい。
告げられ、泉夏は彼の胸から頭を上げた。
「いつかの話。朝から晩まで、もしも一日中呼んでくれる日が来るとしたら-」
-凄く、嬉しい。
その嘘偽りない笑みに、またしても泣きそうになってしまう。
この至近距離でいきなり顔を背けたら、それこそ不審がられてしまう。
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