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桜の季節が巡っても~追憶~
第26章 出発前の甘い夜2
非現実的な事を口走ってる。
自分らしくない-笑われてしまうかもしれない。
でも。
それで明日も逢えるのなら。
恥ずかしい思いをするぐらいなんでもなかった。
それだけ、逢いたい。
とっても、逢いたい-。
「明日…またそうやって俺の名前を呼んで?」
-夢の中で。
触れ合う唇を離し、遠慮がちに微笑めば-彼女の顔が曇る。
泉夏のその表情の変化に、途端に秀王は不安を覚える。
期待にそぐわない何かを言われるのだろうか-緊張の中、彼女の次の言葉を待つ。
「…秀も、来てくれないよ」
ようやく呟かれたそれの意味が、すぐには理解出来なかった。
「『今夜こそは逢いに来てくれますように』って、毎晩思いながら眠るのに-」
-でも、ただの一度も夢に出て来てくれた事はない。
悲痛な目で見られ、秀王の胸は締め付けられる。
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