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桜の季節が巡っても~追憶~
第27章 ふたりとも好き1
夜にホテルに着いてからはその包みを解き、優しく右手の薬指に嵌めてくれた。
もう、滲む涙は堪え切れなかった。
ほんの昨夜の出来事。
その時の感動がまざまざと甦る。
また暫く離れ離れだけど、これがあれば。
肌身離さず身につけるであろうこれを、彼の代わりだと思っていれば。
ペリドットの宝石をそっと、指で撫でる。
ほんの数時間前まで一緒にいた。
一緒にいられる時間のぎりぎりまでいて、ホテルでお別れしてきた。
一晩中愛された記憶が甦る。
全身を余す事なく這った彼の唇の感触。
身体中に散ばった無数の彼の口付けの跡。
思い出して、身体がかっと熱くなる。
次に逢うまでの分、沢山愛してくれた。
次に逢うまでの分、いっぱい愛してもらった。
その思い出もあるから-大丈夫。
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