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桜の季節が巡っても~追憶~
第27章 ふたりとも好き1
「もー、馬鹿にしてっ。そんな事する訳ないじゃないの。それは大学に勤めてた頃の話でしょっ。今は全然違うし」
「違うって…例えばどんな風に?」
真っ赤になって抗議する泉夏に向かって、麻衣は疑問をぶつける。
「えっ、それは…手を繋いでくれたり…とか?」
狼狽えながらも、泉夏はどうにか答える。
「手?有栖川先生が?」
意外だったらしく、麻衣が食い付いてくる。
恥ずかしがりながらも、泉夏は頷く。
「うん。手をね…繋いで欲しいなって、お願いしてたの。子供っぽいって笑われるかなって思ったけれど、それからずっと忘れずに握ってくれる」
-どこに行くにも、必ず。
「優しんだ、とっても」
絡む指先は-幸せな思い出。
蕩けそうな泉夏の横顔に、麻衣は胸焼けを覚える。
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