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桜の季節が巡っても~追憶~
第27章 ふたりとも好き1
それは龍貴も同じだけど。
本当の気持ちは所詮、本人にしか分かりっこないけれど。
『お前が何かを思い悩む必要なんて、これっぽっちもない』-そう、言ってくれた。
そう、笑ってくれた。
全部を鵜呑みには勿論してないけれど。
でも、ありがたかった。
その一言。
その笑顔。
申し訳ない事をしてしまった-胸を塞ぐ重しが、確かに軽くなったのだ。
でも、彼は。
大樹は。
そういう何かを、直接言われた事はない。
だから今の彼の気持ちは-全く分からない。
分かるのはその名を出しただけで、彼の表情は一瞬険しくなった。
これ以上の刺激は避けた方がいい-泉夏は判断して、奔放な麻衣を制する。
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