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桜の季節が巡っても~追憶~
第28章 ふたりとも好き2
張り詰めていたものが緩まり、助手席に座る泉夏が安堵していれば、龍貴が顔を寄せてきた。
薄暗い車内で彼が急に近付いてきたものだから、泉夏は思わず身を硬くしてしまう。
龍貴はそんな泉夏をいつもの余裕の笑顔で攫い、その双眸で彼女をあっと言う間に縛る。
身動きひとつ出来ず-泉夏は彼と向き合うしかない。
「そして、なに?俺が麻衣ちゃんの事、本気で好きかどうかって?」
「…それは」
確かに自分で訊いたくせに、その張本人から直接問い返されると、半端ない恥ずかしさに襲われる。
泉夏が口籠っていれば、龍貴は更に誘い込むような眼差しで彼女を追い込んでゆく。
「なんでそんな事気にしてるわけ?なんの心配?」
「なんでって…心配って…」
-それは。
言えない。
確かにその通りだ。
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