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桜の季節が巡っても~追憶~
第28章 ふたりとも好き2
俯けば泣いてしまいそうだった。
懸命に堪え、すぐ目の前の彼を見続ける。
そんな泉夏を黙って見返していた龍貴だったが、不意に彼女の頬に手を伸ばした。
突然の事に驚き、泉夏は肩を竦めたが、龍貴はお構いなしだった。
彼女の頬から耳に指を伝い、耳輪を辿るようにゆっくりと撫でる。
電流を流されたかのように、泉夏の身体は一瞬で大きく震えた。
彼が次に自分をどうしようとしているのか-息を潜めていれば、龍貴の手は耳朶から再び頬に戻った。
泉夏の強張った頬を解きほぐすようにひと撫でし、龍貴は口を開いた。
「お前って結構無神経だよな」
何を言われているのか分からなかった。
「有栖川先生とののろけ話を散々聞かせてきたかと思ったら、今度は俺が誰を好きだって?」
嗤う龍貴から泉夏は目を離せない。
「…だから」
-麻衣を。
掠れた泉夏の声は、龍貴に阻まれた。
懸命に堪え、すぐ目の前の彼を見続ける。
そんな泉夏を黙って見返していた龍貴だったが、不意に彼女の頬に手を伸ばした。
突然の事に驚き、泉夏は肩を竦めたが、龍貴はお構いなしだった。
彼女の頬から耳に指を伝い、耳輪を辿るようにゆっくりと撫でる。
電流を流されたかのように、泉夏の身体は一瞬で大きく震えた。
彼が次に自分をどうしようとしているのか-息を潜めていれば、龍貴の手は耳朶から再び頬に戻った。
泉夏の強張った頬を解きほぐすようにひと撫でし、龍貴は口を開いた。
「お前って結構無神経だよな」
何を言われているのか分からなかった。
「有栖川先生とののろけ話を散々聞かせてきたかと思ったら、今度は俺が誰を好きだって?」
嗤う龍貴から泉夏は目を離せない。
「…だから」
-麻衣を。
掠れた泉夏の声は、龍貴に阻まれた。

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