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桜の季節が巡っても~追憶~
第28章 ふたりとも好き2
「馬鹿か」
吐き捨て。
その唇を息がかかる程に泉夏に近付け、龍貴は告げた。
「無神経な上に、物忘れもしてるんじゃないよな?流石の俺でも傷付くんだけど」
-俺が好きなのは、お前以外いないだろうが。
龍貴の告白に、泉夏は双眸を見開いた。
驚愕に息を呑む音が、やけに大きく聞こえる。
頬に触れたままの彼の手を急に意識し出し、そこが燃えるように熱くなる。
動揺を隠し切れずにいると、龍貴の口角が意地悪く上がった。
「なに、その驚きよう?やっぱとっくに忘れてたってか?」
揶揄され、泉夏は力なく首を振る。
「そうじゃ…ない、けど」
-けど。
後が続かない。
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