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桜の季節が巡っても~追憶~
第28章 ふたりとも好き2
「…ないもん」
「ふうん?俺と今こうして狭い車内にふたりっきりでいるのに?」
「それはたまたまでしょーがっ。コンビニで偶然会って、夜遅いから龍が送ってくれるって…!」
「まあ、そうだけど。でもそれだって『女としてはどうなの?』って思わなくもない。俺が言うのもなんだけど」
「なんの事…?」
龍貴の言わんとしている事が、泉夏はいまいち掴めない。
「車に乗せたまま、どこか良からぬ場所に連れ込まれたら?そんな時間も勿体ないって、ここで押し倒されでもしたら?」
-簡単に俺のものに出来るだろ。
なんでもない風にさらりと言われ、確かにそうだと同意そうになり-泉夏は寸での事で思い止まる。
「そんなの龍がするわけ…!」
-ない。
何、馬鹿な事言ってるの?-笑い飛ばしかったのに、思い出してしまう。
かつて、そういう事実が確かにあった事-。
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