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桜の季節が巡っても~追憶~
第36章 濃蜜な再会3(再編済)
「確かに面白いかも」
「えっ」
「この本」
泉夏に向けて本を差し出し、秀王は笑う。
シャワーを浴びる直前。
少し読んでいてもいいかと問われ、彼に貸していたものだった。
図書館から借りて来た小説を、読み進めていたページを開いた状態のまま渡され、受け取った泉夏は感嘆の声を上げる。
さっき自分が読み終えたページの、倍以上は進んでいた。
「もうここまで読んだの、先生?」
驚くと同時に、自分と比較し-久々にへこんでしまう。
「やっぱり先生は凄いね。頭いいもんね」
好きになってもらえて、本当に本当に幸せ。
だけど傍から見たら、きっと不釣合いな事この上ないに違いない。
こんな自分のどこを、彼は好きになってくれたんだっけ?
沈んだ泉夏の顔を、秀王は気遣うように覗き込む。
「泉夏?」
眼鏡の奥の瞳は、どこまでも穏やかで優しかった。
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