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桜の季節が巡っても~追憶~
第39章 朝帰りの出来事1(再編済)
「まだ話は終わってないぞ、泉夏!」
食卓の椅子が床を擦れる、嫌な音がする。
また説教?-泉夏は、ほとほとうんざりしてしまう。
立ち上がった兄を制したのは、それまでふたりの会話に口を挟んでいなかった絢子だった。
「涼。あなた、電車の時間は大丈夫なの?」
やんわりと問い掛ける母親の言葉に、涼は我に返る。
テレビの画面上。
そして、自らが嵌めている腕時計-両方の時刻を確認した涼に、焦りが浮かび始める。
いつの間にか、会社に遅刻しかねない時間帯に突入している。
朝食もそこそこに、ソファの上から鞄と上着を涼は手にする。
「この話の続きは今夜する」
リビングを出ようとしたところで、思い出したように妹を振り返り。
涼は全速力で玄関に消えて行った。
その慌ただしい後ろ姿を眺めていた泉夏は一気に脱力し、絢子の隣りに腰を下ろした。
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